キャンプのBBQで必須の炭。
先日紹介した、NOIKURAカフェわんどの山元さん(記事はコチラ)から炭を作っているというお話を聞き、
志布志市有明町にある千田窯さんの炭作りを取材してきました!
最近は、ふるさと納税の返礼品に登録され、1回の製造分がすぐ完売するほど大人気。
私も、炭について調べてみたところ…炭ってすげぇーーーーーーー!!!!
と謎の炭ハイになっています。(炭なのにハイ!…くだらない!!)
今回はハイテンションのままみなさんに炭のすごさをアツく語り、千田窯での作り方をお伝えできればと思います!
スーパーすごいで、炭!!!!!!
目次
炭って何?燃やしてるのに灰にならない理由とは
炭ができる原理…薪との違いは?
木を切って乾燥した薪を燃やすと、灰になってしまいますよね。
では、なんで木を燃やして「炭」ができるか…ご存知でしょうか?
木に限らず、生き物はたいがい炭素(C)・酸素(O)・水素(H)・窒素(N)・リン(S)を主軸にした有機物でできています。
木の場合…セルロース(C6H10O5)で細胞壁ができたりして、木を作っているわけですね。
さて、燃やすと何ができるかというと、空気中の酸素(O)が炭素・水素と繋がります!
炭素が酸素とつながると、CO2(二酸化炭素)になって気体になり、
水素が酸素とつながると、H2O(水)になって蒸発します。
つまり、燃やすと木の成分が二酸化炭素と水になって空気中に無くなっていくわけですね!
灰は、この炭素や水素が空気中に消えた結果…燃えないカリウムやカルシウム、マグネシウムが残ったもの。
一方…炭は、酸素が少ない状態で蒸し焼きにすることでできるんです!
酸素が十分にあると、ほとんどすべてが水や二酸化炭素になるのですが…
酸素が足りないと、くっつくことができなかった炭素が余ります。
余った炭素と炭素と炭素と…(省略)炭素がくっつき、炭になるんですね!
炭素がくっついて出来ている炭は、鉛筆の芯と同じもの。
ちなみに、炭素がもっともっと高温でくっつくと…ダイヤモンドになるんです!!!
さらにさらに、ゴム+硫黄+炭素でタイヤができたり、IH調理機の中身に炭素が入っていたり
…なんとマスカラにも着色料として炭が使われているんですって!
炭素…すごい!!!!(感動)
炭の作り方
では、炭は実際にどうやって作られるのか?
志布志市の有明町猜ケ宇都(あべがうと)地区にある、千田窯さんに取材してきました!
要は、「薪を最低限の酸素で少しずつ燃える」状態をつくれば良い…ってどうするんでしょうか。
STEP0 木を切る
原料である木を切る…!!
炭焼きの中で一番大変な作業ではないでしょうか。
千田窯のみなさんは、高齢化する地元(猜ケ宇都地区)を中心に、
手入れの行き届かなくなった山林や、不要となった宅地周辺の木々の手入れを行う活動をしています。
その過程で集まった木を炭として特産品にしてるそう。素敵!!
▲取材した日は、計3トン(!)の木を炭にしました。1回の仕込みで、これくらい入ります。木を切るところから始まると思うと…ひゃー!
STEP1 木を炭焼き窯の中に入れる
木を炭焼き窯の中に立てて置いていきます。
隙間がないように、ドーム型の窯の中に並べ…中腰のままひたすら木を置いて…うう、見てるだけで大変!
▲隙間ができるだけ無いように、びっしり置いていきます。中の広さは、大人が立つと首を曲げなきゃいけないくらい。何とも言えない高さ…
サポート陣は、ドーム型の窯に合わせてちょうどいい高さの木に切っていきます。
▲「100cmくらいでもうちょっとお願いします」など、オーダーが来てひたすら木を切り手の取りやすいところに置きます。
STEP2 出口を埋める
酸素があると灰になってしまうので、空気が通れないようにレンガと粘土を使って入念に埋めていきます。
もし抜け道があったら、煙がピャーっと出てくるので埋めればOK!
でも、できるだけ空気が入ったりしないように、念入りに念入りに出口を埋めていきます。
▲粘土とレンガで毎回ぴっちり閉じます。空気の穴ができないよう、少しずつ少しずつ積み上げていきます。
STEP3 火を3日間ひたすら燃やす
窯の準備が整ったら、あとはひたすら燃やします!直接火を付けるのではなく、外の下側から火をくべます。
1ヵ所から燃やすことでジジジジ…と上から下に火がついていくのだそう。
窯の中では、最低限の酸素でゆっくりゆっくり燃えていきます。
▲火を切らさずに、ひたすら3日間燃やします。煙の色やにおいで中の状態を判断します。炭焼師さんの腕がここで出るわけですね!
炭化が始まったら、焚き口を閉じてしまい蒸し焼き状態に。酸素がない状態を作ります。
1週間ほどかけてゆっくり炭になった後…自然に火が消えて冷めるのを待ちます。
冷めたら完成!取り出すともう…炭です!!
BBQの時に燃やす…だけじゃない!炭のすごい特徴3選
炭の特徴➀ 穴が無数に開いている!
約2週間も時間をかけてできる炭ですが、水に入れるときれいになったり、冷蔵庫に入れて脱臭に使ったり…
と聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
これは、穴が無数に開いているからできることなんです!
なんと、炭1g(ピーナツほどの大きさ)の表面積は200~400平方メートル…つまりテニスコート分くらいに!
この穴は、細胞の中の炭素以外のものが蒸発して隙間ができたり、炭素と炭素がくっつくときにできたり…
炭の特殊な作り方によってできるものです。
目に見えないほどの小さ~い穴がたくさん開いた炭を水が通ることでろ過されたり、空気が通ることで臭い成分をキャッチしたりできるんですね。
すごい…炭すごい…!!!!!!(震)
炭の特徴➁ なんで燃えるの?なんで煙は出ないの?
炭はほとんど炭素でできています。
薪だと、炭素以外のものも一緒に燃えるので水蒸気(煙)や炎がうわーっ!と上がりますが、
炭に火をつけると、炭と酸素が接している表面だけがじりじりと燃え、CO2になります。
水もほとんどなく、CO2は目に見えないので煙が上がらないんですね。
煙が出ないので、BBQに使われたりウナギを焼くときに使ったり…食べ物に美味しく火を通すことが可能。
さらにすごいのが、遠赤外線効果!!
家のコンロで料理しているとき、手は熱くなりませんよね。
一方、BBQで炭火を起こしているとき…どれだけうちわで仰いでも手が熱くなります。
この時、手に届いているのが遠赤外線!炭火は、ガス火の4倍もの遠赤外線が出るそう!!
遠赤外線は、風などになびかず四方八方に飛んでいるため、食べ物を包みこむように火を通すことができるので
「キャンプで食べると美味しいね」は本当に美味しく焼けてるんです…!!
すごい…炭すごい!!!!!!!(2回目)
しかし、二酸化炭素に炭素が結合して一酸化炭素も作ってしまうのでご注意。
一酸化炭素はとっても有毒で、人が吸いすぎると死んでしまいます。必ず換気をしましょう!
炭の特徴③ ミネラルたっぷり!ご飯がおいしく炊ける理由
炭のすごさはこれだけじゃありません!
炭はほとんど炭素ですが、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどのミネラルは燃えずに残っているんです…!
ごはんを炊くときに炭を入れると、美味しく炊くことができます。
これは、炭が水道水のカルキ臭や、米のヌカ臭さを吸着し、ミネラル分が米に染みこんで、炊き上がりに粘り気が出るから!
うおおおおおおおおおおおおお!一石二鳥!!!!!!!!!(燃)
このミネラル分は、人の体にも植物にも必要なミネラル。肥料にもなります!
美味しいし健康にいいし、炭ってホントにすごくないですか?(どきどき)
いやーテンションがあがりました。すごい、炭。
取材を終えて
今回の記事は、炭についてアツく語る記事でした。
最初に聞いたときは、「えっ、炭!?どうやって作るんですか!?」というお話から取材に行きましたが、
取材の後調べていて、「炭、すごい…炭すごい…!!炭、、、えっ…すごい!!!!!!」
とワクワクが止まらなくなったものがあふれ出てしまいました。(笑)
いや~炭ってすごい。久しぶりに「わぁぁぁぁぁ!」となりました。こういうの大好きです。
次回は、「炭を作ろう!」と思った千田窯のみなさんにスポットを当て、記事を書きたいと思っています。
お楽しみに~!!
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